アドラー心理学と怒りの根っこ
今年の初めに配属先が変わり、新しい環境に身を置くことになりました。
その中で、不安が一定期間解消されないと怒りに変わる、という状況を経験しました。
やっかいなのは、自分で感情を自覚できるのは「怒り」の部分だけで、その怒りが「不安」を根っことして発生しているものと気づきにくい点でした。
怒りは大体周りの誰かに対して、不満や文句という形で「○○さんがXXしてくれない」と表に出てきやすいです。
ただ、怒りの原因をよく見ていくと、怒り自体を解消するように動くよりも、その根っこである不安をいかに解消していくかに焦点をあてないと根本的な解決にはなりません。
で、この不安と怒りの関係のように、ある感情が、別の感情を起点として発生する、ということは「嫌われる勇気」で有名な心理学者のアドラーが語っています。
アドラーの考え方では、不安や恐怖など自分の中に受け入れがたい感情があると、それを覆い隠すように怒りの感情を表に出す、と考えます。
根っこにある感情を第一次感情、それを隠すように現れる感情を第二次感情と呼びます。
第一次感情の例としては、不安、寂しい、辛い、悲しい、心配、苦しい、落胆、悔しい
などがあります。
自分の中に怒りの感情がこみあげてきて、誰かに不満や文句を言いそうになったら、一旦落ち着いて(アンガーマネジメントでは怒りの感情は6秒待つとよいそうです)、自分が怒りによって隠そうとしている感情を観察してみるとよいかもしれません。
ただ、怒りにで隠そうとするくらいですから、自分としては認めたくない感情かもしれません。
それを認めてしまったら、自分が自身に抱いていイメージを損なうことになるとか自分にとって不都合があるかもしれません。
自分にとって不都合なことほど認めたくないものですから、難しいかもれません。
ですが、怒りの感情に振り回されて他人に対して不満や文句を言ったところで、根本的な解決にはならないので、ぐっとこらえて観察してみましょう。
自分は何を不安に感じているのか
自分は何が寂しかったのか
自分は何が辛かったのか
自分は何が悲しかったのか
自分は何が心配だったのか
自分は何が苦しかったのか
自分は何に落胆したのか
自分は何が悔しかったのか
感情は、何がどうなっているのか分からない場合、振り回されますが、何がどうなっているのか構造を把握して、自分の中にある感情を認めることでコントロール可能な範囲に置くことができるように思います。
なので、上の質問で自分の中にある第一感情に気付いたら、「自分は○○している」と認めます。
怒りが発生する順番は、
第一次感情を認めたくない→隠そうとして第二次感情としての怒り
なので、
第一次感情を認める→「認める=隠さなくてよい」ので第二次感情の怒りが収まる
という作戦です。